耐震だけでは物足りない、地震大国日本の住宅に求められることは「耐震」+「制振」です。
こんにちは!
ワダハウジングの纐纈です。
日本にお住まいの方なら、日本が地震大国であることをよくご存じだと思います。
具体的にどのくらい地震が多いか知っていますか?
日本(とその周辺)で観測される地震は、世界で起きる地震の1/10の数にあたります。
目次
- 1 目次
- 2 ・2020年の地震の回数
- 3 ・制振とは
- 4 ・耐震等級とは
- 5 ・耐震性能は何で決まるのか
- 6 ・なぜ耐震だけではダメなのか
- 7 ・堅い家は受ける衝撃が大きい
- 8 ・繰り返す揺れで耐震性能は劣化する
- 9 ・制振・耐震・免震の違い それぞれのメリットとデメリット
- 10 ・耐震+制振が住宅の耐震性能を⻑持ちさせる
- 11 ・耐震だけでは補えない性能をカバーするのが「制振」
- 12 ・制振ダンパーの種類とそれぞれの強み・弱み
- 13 ・形状ごとの比較
- 14 ・メーカーごとの比較
- 15 ・一般的な制振ダンパーが効き始めるタイミングと弱点
- 16 ・制振ダンパーの選び方
- 17 ・わずかな揺れにも作用する制振ダンパーを導入した方の声
- 18 ・さいごに
- 19 ・制振とは
- 20 ・耐震等級とは
- 21 ・耐震性能とは何で決まるか
- 22 ・なぜ耐震だけではダメなのか
- 23 ・堅い家は受ける衝撃が大きい
- 24 ・繰り返す揺れで耐震性能は劣化する
- 25 ・制振・耐震・免振の違い それぞれのメリットとデメリット
- 26 耐震+制振が住宅の耐震性能を長持ちさせる
- 27 耐震だけでは補えない性能をカバーするのが「制振」
- 28 ・制振ダンパーの種類とそれぞれの強み・弱み
- 29 ・形状ごとの比較
- 30 ・メーカーごとの比較
- 31 ・一般的な制振ダンパーが効き始めるタイミングと弱点
- 32 ・制振ダンパーの選び方
- 33 ・わずかな揺れにも作用する制振ダンパーを導入した方の声
- 34 ・さいごに
目次
・2020年の地震の回数
・制振とは
・耐震等級とは
・耐震性能は何で決まるのか
・なぜ耐震だけではダメなのか
・堅い家は受ける衝撃が大きい
・繰り返す揺れで耐震性能は劣化する
・制振・耐震・免震の違い それぞれのメリットとデメリット
・耐震+制振が住宅の耐震性能を⻑持ちさせる
・耐震だけでは補えない性能をカバーするのが「制振」
・制振ダンパーの種類とそれぞれの強み・弱み
・形状ごとの比較
・メーカーごとの比較
・一般的な制振ダンパーが効き始めるタイミングと弱点
・制振ダンパーの選び方
・わずかな揺れにも作用する制振ダンパーを導入した方の声
・さいごに
・2020年の地震の回数
2020年に日本国内で観測された震度1以上の地震の回数は1700回を超えました。
1日に平均すると4〜5回という計算です。
多いと思うでしょうか?
「でも震度1〜4くらいなら、問題も影響もないんじゃないの?」
このように考える方が多いでしょう。
たしかに、一定の耐震性能を備えた住宅であれば震度1〜4程度の地震で甚大な影響を受ける可能性は低いといえます。
しかし直ちに倒壊や損壊の発生しないような揺れでも、実は住宅には少しずつダメージが蓄積されているのです。
そしてダメージの蓄積した住宅は、耐震性能を備えていても十分な効果が発揮されなかったり、想定以上の損壊が生じたり、最悪の場合は倒壊してしまったりするようなことも考えられます。
まして大型の地震に繰り返し見舞われるようなことがあれば、もはや耐震性能だけでは住宅を守ることは難しくなってしまうのです。
地震大国日本の住宅は、住人が気付かない間もほとんど毎日のように地震の揺れに晒されています。
何度も何度も繰り返す揺れに耐え続け、中に住む人々の暮らしをいつまでも安全に支え続けることは、もはや日本の住宅にとって欠かせない性能だと考えます。
地震に強い家をつくるひとつの方法が「制振」です。
制振の重要性を1人でも多くの方に理解していただきたいと思います。
・制振とは
地震に強い住宅を考えるとき、「耐震」という言葉がもっとも一般的でしょう。
建物の強度を高めて頑丈にすることで、地震によって建物が揺れても直ちに倒壊することを防ぐことを目的にしているのが「耐震」です。
耐力壁と呼ばれる丈夫な壁を設けることで建物の耐久力を高め、地震が起きた際に中にいる人が外に逃げるまでの時間を確保しようとする考え方です。
一方「制振」とは、地震の揺れをエネルギーとして捉え、建物の構造に組み込んだエネルギー吸収装置=制振装置によって揺れを抑制する技術です。
建物の揺れを抑えることで構造へのダメージを減らし、繰り返しの揺れによる歪みなどのダメージの蓄積を軽減することで建物の安全性を延ばします。
もともとはビルや橋などの大型の建築物に用いられる技術でしたが、近年では技術の進歩によって住宅へも採用されるようになりました。
・耐震等級とは
建物の耐震性能の高さは、3段階の「耐震等級」によって表されます。
等級は建物の面積当たりの壁量が増えるほど大きくなり、等級が上がるほど「堅い家」になるという
考え方です。
すなわち耐震等級3が最高級にあたります。
等級ごとの定義は以下のとおりです。
なお耐震等級1に示される建築基準法の水準とは、主に以下の内容を指します。
建物の耐震性能の基準は建築基準法によって定められ、現在の基準は2000年の法改正の際に見直されたものが適用されています。
これは従前と比較して俗に「新耐震基準」と呼ばれています。
この新耐震基準を満たしていれば、日本国内において建物を建てることができます。
耐震等級とは建物が地震の揺れに耐えて倒壊することを防ぐ「堅さ」を等級化したものです。
ちなみに等級化そのものに法的義務は無く、任意の審査によって認定されています。
いわばプラスアルファの安心を提供するものです。
・耐震性能とは何で決まるか
建物の耐震性能は主に以下の5つのポイントによって決まります。
1.基礎の構造
「ベタ基礎」や「布基礎」など住宅の基礎の構造には複数の種類があり、構造によって耐震性
能は変わります。
一般にはベタ基礎が優れているといわれています。
実際にはコンクリートの強度や鉄筋量などにより強さは変わってきます。
必ずしもベタ基礎だから強いという事はありません。
細かな規定をクリアしてこそ初めて耐震性能を確保出来ます。
2.建物の重さ
建物は軽ければ軽いほど揺れの影響を受けにくいため、耐震性能は高くなります。
瓦の屋根やモルタルの外壁は重たいので揺れの影響を受けやすくなります。
しかし、しっかり構造の計算を行えば問題はありません。
構造計算をしているかどうかの方が重要です。
3.頑丈な壁「耐力壁」の量
構造用面材や筋交いなどが耐力壁に該当します。
数が多いほど地震に強い建物になります。
しかし、耐力壁には細かな規定があるので、規定を遵守する事の方が重要です。
4.耐力壁や耐震金物の配置
その耐力壁は、構造のどこに配置されるかによって発揮される効果が変わってきます。
耐震性を高める金物も同様にであり、配置に加えて何を用いるかによっても当然耐震性は変化します。
その他では2階より1階に多く耐力壁を配置する方が良いです。
強い耐力壁を配置するよりも、少し弱い耐力壁をまんべんなく配置できると尚よいです。
強い耐力壁を配置すると金物が特殊になる事が多々あります。
5.床(水平構面)の耐力
壁だけでなく、壁と直接つながっている床や天井などの「水平構面」も建物の耐震性に影響します。
例えば2階が吹き抜けになっている構造などは耐久力が下がる原因になります。
このような場合は床の構造用合板を増やしたり、火打ちと呼ばれる木材や金物を増やす事で解決できます。
吹き抜けや階段室などを3面(例えば東西北3面)を建物の外周にしないようにしなければいけません。
・なぜ耐震だけではダメなのか
「耐震等級」を上げていく=建物を「堅く」する。
見た目の揺れは小さくなりますが建物に伝わる「衝撃」は、逆に大きくなります。
筋かいや合板などで建物をガッチリと固めることで地震の際に躯体にかかってくる衝撃力を逃
がすことができず、弱い部分に力がかかり建物を傷めてしまう。
一度大きな地震を受けると地震に抵抗する耐力壁(筋かいや合板)も損傷。
見た目には分からないが、実は壁の内部はガタガタになり余震に耐える力が残っていないケースもある。
耐震は住宅を守るとても大事な性能ですが、耐震だけではカバーしきれない弱点が存在します。
2点に分類して説明します。
・堅い家は受ける衝撃が大きい
耐震等級が高いほど、つまり家が堅いほど、地震の時に構造が受ける衝撃は大きくなります。
堅さゆえに柔軟性に欠き、揺れのエネルギーを吸収したり逃がしたりできないためです。
堅い家は一度の地震で倒壊こそしないものの、繰り返しの余震によって内部構造にダメージが蓄積し、いずれ破損してしまう恐れがあります。
・繰り返す揺れで耐震性能は劣化する
上記の理由から、耐震性能は新築のときから次第に劣化していきます。
建物にダメージを与えるのは大型の地震に限りません。
余震や、頻繁に起こる小規模な地震の揺れによっても、住宅の構造には少しずつ歪みや傷みなどのダメージが蓄積していくのです。
そして日本全国では毎月150回以上の小さな地震が起きていますので、これはあなたにとっても身近なことであると考えなければなりません。
耐震性能が劣化するということは、いざというときに本来の効果を発揮しない恐れがあるということになります。
特に一度大きな揺れを経験した建物においては、以降の地震対策を見直す必要があるといえます。
・制振・耐震・免振の違い それぞれのメリットとデメリット
住宅などの建物における地震対策として代表的な構造は「制振」「耐震」「免震」の3種類です。
地震から住宅を守るという目的において共通していますが、それぞれ仕組みや考え方、またメリットやデメリットはかなり異なります。
1.制振
建物内に制振装置を組み込み、地震の揺れを吸収する構造が「制振」です。
制振だけでは頑丈な建物をつくれないため、耐震と併せて導入する必要があります。
2.耐震
建物が倒壊せず住人が避難できることを前提とした、揺れに耐え得る頑丈で強度の高い構造のことを「耐震」といいます。
大きなデメリットは2点で、建物の揺れが大きくなることと、繰り返して効果が発揮できないことが挙げられます。
耐震住宅は「堅い」ために揺れを逃がす機能を持たず、それゆえ屋内で感じる揺れは地面の揺れよりも大きくなります。
これは家具類などが倒れるリスクにつながるため、対策が必要な点といえます。
また一度ダメージを受けた建物は耐震性能が劣化するため、引き続き安心して居住することは難しくなってしまいます。
3.免震
「免震」とは、建物と地中の基礎部分の間に設けた装置によって揺れと建物とを切り離すことで、建物に地震の揺れを直接伝えない構造のことです。
きわめて高い性能を誇りますがコストが莫大であり、住宅に取り入れられるケースは稀です。
一般的には大きなビルなどに導入されることの多い地震対策です。
メリット・デメリット
耐震+制振が住宅の耐震性能を長持ちさせる
耐震 + 制振 = 地震に耐える + 地震の衝撃を軽減
地震の揺れを軽減させて衝撃を和らげ、家を傷めないようにする技術。
建物損傷が軽減されるため、繰り返される余震に有効とされています。
建物への衝撃(地震エネルギー)を制振装置で熱に変えて吸収。
耐震だけでは補えない性能をカバーするのが「制振」
耐震等級の高い建物は大きな地震でも直ちに倒壊することはありませんが、その揺れによって柱や梁にわずかなズレが生じたりして、少しずつダメージが蓄積されていきます。
ダメージが蓄積されることで耐震性能はだんだんと低下していくため、耐震等級3だからといって安心することはできません。
またこの揺れのダメージは、大地震だけがもたらすものではありません。
強風による揺れや大地震の前後に発生する中小規模の余震、さらには人が感じることが難しい震度1程度のわずかな揺れによっても、建物の構造はダメージを受け続けているのです。
つまり住宅の耐震性能を⻑持ちさせるためには、大地震の揺れはもちろん、小さな揺れからも建物を守る構造が必要であることがわかります。
これを実現するのが「制振」という地震対策の考え方です。
特殊な装置を構造に組み込むことで、地震や強風による揺れのエネルギーを吸収して建物へのダメージの蓄積を防ぐことを制振といいます。
すなわち制振こそが住宅の耐震性能を⻑持ちさせる方法であるということです。
そして建物に制振性能を持たせる装置のことを「制振ダンパー」といいます。
・制振ダンパーの種類とそれぞれの強み・弱み
住宅に制振性能をもたらす装置である「制振ダンパー」には構造の異なる3つの種類があります。
目指す効果は同じながら特徴が異なり、それぞれに強みや弱みがあるのでここで比較します。
1.油圧(オイル)系ダンパー【頑丈・ 高価】
中に補填したオイルが緩衝材となって衝撃を吸収するのがオイル系のダンパーです。
劣化したり損傷したりしにくいというメリットを持つ一方、構造が複雑なため価格が高いというデメリットがあります。
2.ゴム系ダンパー【繰返しの地震に強い・劣化が早い】
ゴム系ダンパーは、ゴムやアクリル樹脂などの伸縮性能によって衝撃を吸収します。
繰り返しの揺れにも効果を発揮しやすいことがメリットとして挙げられ、気温による伸縮の影響で劣化が早いことがデメリットであるといえます。
3.金属系ダンパー【安価・劣化が早い】
金属の曲がる性質により、揺れのエネルギーを熱エネルギーに変換するのが金属系ダンパーの構造です。
最大のメリットは比較的安価である点であり、デメリットは繰り返しの曲げによって劣化して効果が薄れていく点です。
・形状ごとの比較
制振ダンパーの形状には主に2つの種類があります。
「筋交いダンパー」と「仕口ダンパー」です。
次はこの形状ごとの違いを比較します。
1.筋交いダンパー【大型・壁の補強・重い・工事費が高い】
柱と柱の間に斜めに入れて構造を補強する部材のことを「筋交い」といいます。
この筋交い状に組み込む制振ダンパーは「筋交いダンパー」などと呼ばれます。
次に挙げる「仕口ダンパー」と比較して大型なのが特徴で、大きさゆえに必要な本数が少なくて済むことと安心感があることがメリットです。
また壁の構造を補強する副次的な効果を期待できるものもあります。
一方で添え木などの副資材がなければ取り付けられず、また重量もあることから施工に複数人数を要する点がデメリットであるといえます。
施主の視点からすれば、工事費用が高くなる懸念があることになります。
2.仕口ダンパー【小型・仕口補強・材料費嵩む・要技術】
柱(縦)と梁(横)の構造が交わる部分を「仕口」といい、ここに取り付けるタイプの制振ダンパーは「仕口ダンパー」と呼ばれます。
筋交いダンパーと比較して小型であるために福資材なども不要で施工が簡単であり、仕口の強度を補強するという副次的な効果を持つことがメリットです。
一方で本数が多く必要になるため費用がかさむ場合があり、また取付に技術を要することがデメリットであるといえます。
・メーカーごとの比較
市場には実に多くの制振ダンパー商品が流通しています。
制振効果をもたらすという点においていずれも共通していますが、もちろん特徴は各社によって異なります。その一部を4社ほど紹介します。
1.A社木造軸組み用摩擦ダンパーの特徴
▪繰り返し地震に強く安定した性能を発揮
▪軸組(構造躯体)への負担も軽減
▪速度や温度など環境変化に依存せずに効果が安定
▪壁量計算で最大の「壁倍率5倍」の大臣認定
▪東京工業大学笠井研究室による技術協力
2.B社ゴム系ダンパーの特徴
▪繰り返し地震にも高い制振効果を発揮
▪特別な工具も不要で取り付けがカンタン
▪制振シミュレーションを無料で受付
▪国土交通大臣認定「壁倍率1.3」など複数の公的認定取得
▪住友理工ブランドの安心感
3.C社オイル系ダンパーの特徴
▪建物の変形を約1/2に減らして地震の揺れによる建物の損傷を大幅軽減
▪副資材不要で半人工以下の簡易施工を実現
▪120年以上の耐久性でメンテナンスフリーを実現
▪製品代・施工手間代ともに導入しやすい低価格
▪さまざまな研究機関などでの試験を実施して効果を実証
▪13,000棟以上の導入実績
4.D社オイル系ダンパーの特徴
▪小さな振動から大きな揺れまで瞬時に効果を発揮
▪特許技術「超バイリニア特性」によって3mm程度のごくわずかな揺れにも効果を発揮し、小さな揺れによる建物へのダメージの蓄積も軽減
▪世界有数のショックアブソーバーメーカー、ドイツ「ビルシュタイン社」との協同開発
▪100万回の耐久試験でも性能低下なし
▪-20〜80°Cの幅広い使用環境温度領域
▪必要本数が少なく、短時間施工が可能
・一般的な制振ダンパーが効き始めるタイミングと弱点
制振ダンパーは揺れに対して作用しますが、商品によって反応するタイミングが異なります。
一般的に多くの制振ダンパーは、震度5以上相当の揺れに対して効き始めます。
より大きな地震に大きな変形に対して機能して構造を守るのが、多くの制振ダンパーが目指している効果です。
しかし、これでは建物を守りきることができないことが分かってきました。
建物の変形によって普段見えることのない壁の内部で何が起こっているのでしょうか?
つまりどんな制振ダンパーでも良いのかというと、そうではないということになります。
「わずかな揺れにも反応する」という要素が不可欠なのです。
制振ダンパーとは、例えるなら自動車のショックアブソーバーのような構造をした伸縮性のある装置であり、揺れを受けて変形することでエネルギーを吸収し、建物にダメージを与えることを防いでいます。
この構造ゆえに「大きな地震にも耐える」ことと「わずかな揺れにも反応する」ことの両立は技術的に難しく、多くの制振ダンパーは大地震のみを想定して小さな揺れによるダメージの蓄積を防ぐという本質的な効果を放棄しています。
繰り返す揺れにも耐え、住宅の耐震性能を⻑持ちさせて最大限の効果を引き出すために制振ダンパーを選ぶのであれば、「わずかな揺れにも反応する」という条件は必須であると考えなければなりません。
理想的な制振ダンパーは以下の条件を満たしたものになると思います。
・制振ダンパーの選び方
まず構造の種類については、価格を除いて「オイル系ダンパー」が優れていることがわかります。
安全のために導入する装置ですから多少の価格差は飲み込んでオイル系ダンパーを選ぶべきでしょう。
交換やメンテナンスを考えれば、トータルでの差は大きなものではありません。
続いて形状における比較ではわずかなメリット・デメリットはありながらも、施主様の視点からすれば大きな差異はないと思います。
工事のやりやすさなどは施主様にはあまり関係ないですから…
これは住宅の構造や施工する住宅会社の特性に合わせて選べば良いといえます。
最後にメーカーごとの比較においては、一概に優劣を付けることは難しいといえます。
各社ともウィークポイントを前面に出すことはありませんし、実際の性能差は⻑期的に検証しなければ明確にはなりません。
しかしひとついえるとすれば、「小さな揺れにも反応する」ということは制震ダンパーの本質的な目的から考えれば必須の要素であるということです。

・わずかな揺れにも作用する制振ダンパーを導入した方の声
2018年6月に発生した「大阪北部地震」を実際に体験された京都府宇治市にお住まいのご家庭へインタビュー動画がありました。
わずかな揺れにも反応する制振ダンパーを導入していたため、ほとんど揺れを感じなかったことがわかります。
Q :発生当時の状況や揺れはどうでしたか?
A: 激しい揺れは感じられず、地震によって近隣の家などが揺れている音が目立って聞こえてきたという印象でした
一人は入浴中だったんですが、揺れを感じながらも慌てて飛び出してくるというほどではありませんでした。
後から「震度5弱」というニュースを見て、嘘だと思ったくらいです。
Q :近所など地域の被害はどうでしたか?
A:近くの友人の家の様子を見せてもらったところ、家具や家財が倒れたり、散乱したりしていました。
同じ地域に住んでいるとは到底思えませんでした。
Q:自宅の被害はどうでしたか?
A:縦型の扇風機も、その上に置いていた電話の子機すらも倒れていないような状態でした。
その他の家具や家財も一切倒れておらず、大きな地震が来たとは思えませんでした。
・さいごに
最後までお読みいただきありがとうございます。
このブログを読んでくださったあなたが「制振って大事なんだ」「自宅には制振装置を導入しよう」と感じていただければ幸いです。
地震から住宅を守り、守り続けるために、制振は欠かせない新たなスタンダードになりつつあります。
認知度が高まるにつれて制振の選択肢も増えていくことが想定されますが、ご自身の住まいに採用するにあたっては、正確な知識をもって適切な判断をしていただきたいと思います。
制振性能によってわずかな揺れによる住宅へのダメージ蓄積を軽減し、⻑く安心な暮
らしを実現していただけることを願っています。
制振ダンパーを選ぶにあたっては、「わずかな揺れから反応する」という精度が不可欠です。
私としては、独自の特許技術によってわずか3mmの極小の揺れにも対応できる制振ダンパー「evoltz(エヴォルツ)」をおススメしています。
制振ダンパーに求められる本来の役割をしっかりとこなします。
その圧倒的な技術力について詳しく知りたい方は、以下のウェブサイトをご確認ください。
ワダハウジング和田製材株式会社
・一級建築士
・一級建築施工管理技士
・省エネ建築診断士(エキスパート)
・一般社団法人みんなの住宅研究所会員(会員番号:200019)
纐纈和正