2026.03.24
家がミシッと鳴るのはなぜ?家鳴りの原因と対策を解説
夜中など静かな空間の中で「ミシッ」と鳴る音に驚いたことがある経験はありませんか?
祖父母の家、実家など「ピキッ」「ミシッ」とかいう物音が…

こんな経験、みなさんもあるのではないでしょうか?
そのみなさんも経験をしたことがあるであろう「ミシッ」という音は「家鳴り」といいます。
すこし不気味に感じるあの「家鳴り」の正体について、説明します!

「家鳴り」とは?
そもそも「家鳴り」という言葉を聞いたことはありますか?
「家鳴り」とは、家の中から突然聞こえてくる「ミシッ」「パキッ」「バキッ」などといった音のことです。
これは、家の構造部材である木材が膨張、収縮することで発生する音です。
誰もいるはずのない家の中から、こんな音がいきなり聞こえてくると物騒ですよね。
ご安心ください。
一見不気味に感じるこの現象ですが、木造の家ではあるあるなんです。

なぜ自然素材である無垢の木材で家鳴りが起きやすいのか?
無垢材の特徴
簡単に説明をすると…
- 湿気を吸ったり吐いたりする
- 温度や湿度に敏感
- 反り、割れ、伸縮が起こる
などなど、自然素材である無垢の木材は、気温や湿度の変化で微妙に形が変化し、その際に音を立てることがあります。
よって、自然素材である木の木材で造った家は「家鳴り」が起こりやすいのです。

無垢材は、木そのものです。
木は切ってからも呼吸を続け、調湿機能を持ち、香りや視覚での癒し効果を与えてくれます。
木も生きているからこそ、膨張・収縮し、音を発することがあります。
自然素材である無垢の木で造った家の特徴
無垢の木で造った家の代表的な特徴を4つ紹介していきます。
1.健康的な住環境に近づく
無垢の木などの自然素材や天然素材は、化学物質が少ないため、アレルギーのリスクを軽減してくれます。

一般的な木造の家に使用される接着剤や塗料には、有害な化学物質が含まれていることがあります。
無垢の木などの自然素材や天然素材は、そのような化学物質をほとんど含まれないので小さなお子様やアレルギー体質の方にも安心です。
その他に、無垢の木などの自然素材や天然素材には調湿作用があります。

湿気を吸収・放出してくれる性質があります。
そのため、室内の湿度を自然に調整してくれます。
よって、カビやダニの発生を抑え、1年を通して快適な空間をつくることができます。
2.快適で心地よくなる
無垢材は、木の香りを放ちます。
これは、木が放出する天然成分「フィトンチッド」によるもので、副交感神経を優位にし、ストレスホルモンの減少、心拍数や血圧の低下をもたらすなど高いリラックス効果があります。
美しい木の木目、風合いや手触りは視覚的にも触覚的にも人間の心に癒しを与えてくれます。

無垢の木は、等間隔に見えて微妙にズレる「1/fゆらぎ」が、人の感覚を心地よく刺激し、木目や質感に触れることで、脳の活動が鎮静化し、生理的なリラックス効果が研究で確認されています。
3.経年変化を楽しむ
無垢の木などの自然素材や天然素材は、時とともに味わい深く変化していきます。
木材は、日光や空気により色が変化し、深みを増していきます。
紫外線や空気、日々の手触りによって、年月とともに色味や艶が変化(経年変化)し、世界に一つだけの味わい深さがでてきます。

これは、木材の成分の中で最も光に敏感なリグニンという成分が、紫外線などの光を吸収して、分解して変性していく過程で木材の色が変化します。
例えば、オークなら褐色に変化して色が濃くなり、パインなら飴色に変わり落ち着いた雰囲気になっていきます。
使い込むほどに色が濃くなったり、光沢が増したりして、新品時にはない風格が出ます。
劣化ではなく、味わいや風合いが出てくるのは、自然素材ならではの楽しみ方です。
4.唯一無二の家づくり
木の木目、色、節の有無、ひとつとして全く同じものはありません。
同じ丸太から切り出された木材であっても、一つとして同じものが存在しないことが、天然木の最大の特徴です。

これらは木材が成長過程で生まれた「個性」であり、木肌の色や艶で印象を大きく変えます。
その他に、節の有り無しや木の密度(年輪)色味の濃淡によっても変わります。
このことから、世界にひとつだけの空間が誕生します。
合板の床やビニールクロスにはない、唯一無二の家づくりになります。
ただし、無垢の木などの自然素材や天然素材を使用した家にはたくさんの魅力がありますが、傷や汚れがつきやすい弱点があったりと、定期的なメンテナンスが必要な点もあります。

信頼できる工務店やハウスメーカーと一緒に家づくりを行ってください。
というのも、無垢の木などの自然素材や天然素材は扱いが難しいので、素材を知り尽くした経験の豊富な工務店やハウスメーカーを選ぶことが大切になります。
家鳴りが発生しやすい場所は?
家鳴りはどこでも発生しているわけではありません。
家鳴りが発生しやすい場所というのもあります。
- 梁と柱の接合部
- 天井板や床板の裏側
- 建具まわり
木材と木材が触れ合う場所、金物で固定をしている箇所にズレが生じると、音が発生します。
では、なぜそんな音が自然に鳴るのでしょうか?

1.温度と湿度
木材は、水分を吸ったり吐いたりして膨張・収縮を繰り返します。
木材は、乾燥状態では水分が抜けることで収縮し、湿気が加わると水分の量に応じて膨張します。
温度の変化によっても、木材が微妙に膨張・収縮しやすくなります。
温度が高い時…木材は水分を吸収して膨張
温度が低い時…木材は水分を失い収縮
この瞬間に「家鳴り」と呼ばれる音が発生するわけです。

2.梅雨時期
梅雨の時期は湿気がすごいですよね。
木材やフローリングなどが湿気を吸って膨張し、そのあと乾燥するときに収縮します。
その時に「パキッ」っとした音が鳴ります。
その他に雨が続いた後に、晴れの日が何日も続くと同じ現象が起こります。

3.気圧の変化
台風が来る前など、急激な気圧の変化で家の中がなんか変な感じすると思ったことはないでしょうか?
気圧の変化で体調が悪くなってしまう方なんかもいらっしゃいますよね。
家も同じように、気圧の変化で木が押されたり、引っ張られたりしています。
圧力に耐えかねた梁や柱が「バキッ」と音を立てることもあります。
木も生きているので、気圧を感じています。

4.乾燥
家を建てる時は、乾燥木材を使用するのですが、釘やビスを打ち込んだ時に木材が割れないよう、15~20%ほど水分が残った状態の木材を使用します。
建てて1~2年以内の家では、その残った水分が乾燥することで、木材が収縮して構造材がずれたり、きしんだりします。
木材は、水分を含んだり放出したりする「調湿性」を持っています。
湿度が低くなると、水分が抜けていき収縮します。
乾燥すると、柱や梁などの木材が縮み、力がかかります。
その力が限界に達したときに「パキッ」などという音が鳴ります。

その他に、冬のエアコンや燃焼式(ガスや灯油ファンヒーター)ではない暖房機(セラミックファンヒーターやオイルヒーター)を使用して、室内が乾燥しているときも家鳴りが起こりやすいです。
ちなみに、燃焼式は水分が放出されるので、若干ですが室内が加湿されます。
その反面、室内の空気が汚れ、CO2濃度が増えるので換気をしっかりしてください。
5.木材の応力解放
家の骨組みとなる構造材は、建築時にしっかりと組まれることで、一定の力を受けています。
その後、木材が乾燥や経年変化によって少しずつ応力が解放され、ズレやひねりが生じて、音が発生します。
これは、木材が馴染んでいく過程であり、新築の家ではよく見られる現象になります。

6.自然災害
地震や地盤沈下などが起こると、家の構造にわずかな歪みが生じ、家鳴りが起こることがあります。
また、積雪や強風、台風など自然によっておこるものでも、家が音を立てることがあります。
自然災害は防ぐことはできませんが、その後の点検で不具合を早期に発見できれば、最小限の費用で修繕も可能になります。

「家鳴り」の対策は?
現在の技術をもった新築の家なら、ほとんどの場合は気にしなくても問題ありません。
又、家鳴りは対処することができる場合もあります。
①定期点検
工務店やハウスメーカーによる定期点検で、家についての不安を解消しましょう。
「家鳴り」が気になる場合は定期点検で相談してみてください。
頻繁に起こるような「家鳴り」は、止めることができる場合もあります。
ボルトの緩みや床を支える束の緩みなど、軽微な場合が多いですが、そのままにしておくと劣化が進むので早めに対応することで長持ちします。

②室内の温度と湿度調整
エアコンや加湿器・除湿器を使って急激な温度や湿度の変化を防ぎましょう。
エアコンは加湿器としての機能はある特定の機種しかありませんが、冷房運転、除湿(ドライ)運転ならかなり除湿ができるので、夏場の除湿にはおススメです。
木材の収縮を抑えるために、加湿器・除湿機を活用し、湿度40~60%を保つのが理想的です。
また、エアコンや他の暖房器具を使用する時は、急な温度変化を避け、徐々に温めると木材への負担が軽減されます。
同時に電気代を抑えることにもつながります。

③換気
換気を徹底し、空気の流れをつくってあげることで、木材の呼吸を助けます。
換気が悪いと、室内や壁の中に湿気がこもり、木材が吸湿・乾燥を繰り返す為、家鳴りが発生しやすくなります。
現在の新築の家は、24時間換気システムの設置が法律によって義務化されています。
この24時間換気システムを正しく使うことで換気ができます。
換気システムを止めないようにしましょう。
止めてしまうと、湿気がこもり家鳴りやカビの発生の原因となります。
換気システムがついていない家の場合は、窓開け換気をするようにしてください。

④換気口、給気口をふさがない
24時間換気システムを動かしていても、カーテンや家具、荷物などで給気口や排気口をふさいでしまっている場合があります。
ふさがっていることで、空気の流れが遮られ、室内の温度・湿度が安定しないことで、木材の収縮も偏り家鳴りが起きやすくなります。
ふさいでいる場所はないか、確認をしてみてください。
また、給気口や排気口にはフィルターがついています。
フィルターが目詰まりをしていると、空気の流れる量が減ってしまうので、フィルター掃除をして目詰まりを防ぎましょう。

⑤窓を開けての自然換気
24時間換気システムがあっても、自然換気をすることは大切です。
窓は換気システムよりも大きな開口部なので、素早く換気ができます。
ただし、湿気の多い梅雨は、室内に余分な湿度を取り入れてしまうので、窓開け換気はやめてエアコンの除湿(ドライ)や冷房を併用しながら、換気システムやレンジフードなどで換気をしてください。
冬場や人が家に多く集まった日などは、窓開け換気だと素早く換気ができます。
冬は暖房で温めた空気を外に捨てることになり寒くなるので、短時間で行いエネルギーロスを減らしてください。

⑥家具の配置
家具が1か所に集中していると、家具の重さで床が歪み、建物の重心がずれやすくなります。
家具をバランスよく分散して配置してあげることで、家鳴りを防ぐことができます。
その他に本棚、ピアノ、ウォーターベッドなどは以外にも重量があります。
設置する場所が分かっているのなら、工務店やハウスメーカーにあらかじめ伝えてください。
その部分の重さを考慮して、構造計算をして床の補強ができます。
新築の家でない場合は、分散させるしかありません…

家鳴りを最小限に抑えるには、木材の乾燥状態や品質の管理がとても大切です。
しっかり乾燥させた木材を使うことで、後から大きく動くリスクが減ります。
また、気密性・断熱性の高い設計と施工は湿度の急激な変化を防ぎ、家鳴りの原因を減らせます。
気密シートの貼り方や接合部分の工夫など、職人の技術もとても重要になります。
家鳴りの心配が少ない設計としては、適切な梁や柱の配置、伸縮を考慮した施工が欠かせません。
経験豊富な工務店ならこうしたポイントを踏まえて家づくりを進めてくれます。

「家鳴り」は放っておいていいの?
ほとんどの家鳴りは、自然現象で構造的には問題ない場合が多いです。
ただし、注意したほうがよい点もあります。
- 何度も同じ場所から音がする
- 音とともに「床が沈む」「ドアが閉まりづらくなる」などの変化がある
- 地震の後に家鳴りが増えた
- 天井や壁に著しいひび割れが出来てきた
これらの症状が当てはまる場合は、構造に問題がある可能性があります。
特に築年数の経過した家では、耐震性に関わることもありますので要注意です。

耐久性や耐震性が低下している場合だと、建物が倒壊する危険があるため、専門家に相談することをおススメします。
大切な家族と家を守るため、まずは調査を受けてみてください。