2024.09.16
こんにちは!
ワダハウジングの纐纈です。
木造住宅だけでなく、建築物の地震対策には、耐震、制振、免震の3つがあります。
耐震、制振、免震の基本的な考え方から説明をします。
目次
耐震は住宅を強くすることです。
ここでの住宅を強くするということは、硬くつくるという事になります。
住宅を硬くすることで地震の揺れに耐える構造になります。
具体的には、壁に筋交いと呼ばれる斜め材を入れたり、木材通しの接合する部分を金物で補強したり、構造用の合板を貼ったりして硬くしていきます。
耐震は最も一般的な方法になります。
制振はダンパーなどで地震の揺れを吸収する構造です。
住宅の内部に設置された制振装置が地震を吸収することで、揺れを小さくして住宅の骨組みへのダメージを減らす技術です。
住宅で主に使用されるダンパーは、ゴム、鋼材(金属) 、オイル(油圧) ダンパーの3種類に分けられます。
免震は地震の揺れが住宅へ直接伝わりにくくする技術です。
地震の揺れが住宅へ伝わりにくくすることから、住宅と地盤を切り離した構造ともいえます。
住宅と基礎の間に特殊な免震装置を設けて地震の力を受け流して揺れを少なくします。
積層ゴム支承・すべり支承・転がり支承などがあります。
優先順位は
①耐震
②耐震+制振
③耐震+免震
になります。
免震の優先順位が低いのは、効果の問題ではなく装置自体がかなり高額なのでなかなか採用するのが難しいこともあります。
更に言うなら木造住宅は鉄骨造やコンクリート造に比べて軽いので、免震装置の効果が上手く発揮できないことも考えられます。
台風や強風をうけたときに、免震装置があることで住宅自体が揺れてしまうこともあります。
その揺れで家具や家電の破損につながることもあるので、注意が必要です。
どうしても免震装置を使いたいなら、木造住宅のような軽い建物にも有効な免震装置を選ぶ必要があります。
やはり木造住宅の基本は耐震です。
多くの制振装置は、震度5ほどから効果を発揮するものがほとんでです。
なので、耐震性能がないと制振装置が効果を発揮する前に倒壊することも考えられます。
ごく少数ですが、小さな揺れから効果を発揮する制振装置もあります。
しかし、そのような制振装置も採用の条件に耐震性能が求められていることがほとんどです。
耐震性能がないと制振装置が正しく作動しないので耐震+制振で考えてください。
制振装置は「層間ダンパー型」「マスダンパー型」「連結型」に分類されています。
木造住宅に用いられる制振装置は「層間ダンパー型」が一般的です。
住宅の各階(各層)にダンパーを設置します。
地震により住宅が変形するときに、ダンパーが地震力を吸収してくれます。
建物の上部に重りなどを設置します。
建物が揺れるときに重りが逆方向に揺れることで地震の振動を低減させます。
ブランコをイメージすると分かりやすいです。
マスダンパーが人でブランコを建物と置き換えてください。
こぐ時は揺れを大きくする方向に体重をかけ、止めたい時はその逆方向に体重をかけます。
止めたい時というのがマスダンパーが働いたという事です。
簡単に言うと複数の異なる建物を連結する制振装置です。
バネやダンパーなどにより建物を軽く連結させます。
お互いの建物重さの均等がとれることで地震や強風を低減させます。
先ほども述べましたが木造住宅には「層間ダンパー型」が一般的です。
そして、層間ダンパーにも種類があります。
オイルが緩衝材となり衝撃を吸収するのが油圧系ダンパーです。
小さな揺れから効果を発揮するので、何度も繰り返す地震に対しても性能を発揮します。
構造が複雑なので価格が高いデメリットもあります。
金属の曲がる性質で揺れのエネルギーを熱エネルギーに変換するのが金属系ダンパーです。
比較的安価で揺れが大きくなってきた段階でよく効きます。
小さな揺れには反応しなかったり、金属疲労で耐久性が若干低くなってくるのがデメリット。
ゴムやアクリル樹脂まどの伸縮性能によって衝撃を吸収するのがゴム系ダンパーです。
大型のため設置場所が制限されますが、中程度から大きな揺れに対応しています。
耐震性能が劣る柔らかい住宅や大きな揺れにも有効です。
気温による膨張伸縮で制振性能の劣化に影響するのがデメリットといえます。
制振装置は地震力のエネルギー吸収に応じて「変位依存型」と「速度依存型」に分類されています。
ダンパーの変位する量に応じてエネルギーを吸収するもので、金属系ダンパーが該当します。
ダンパーの変形する速度に応じてエネルギーを吸収するもので、油圧系ダンパーが該当します。
ちなみにゴム系ダンパーは、変位依存型と速度依存型を組み合わせたような位置に分類されます。
ワダハウジングでは「evoltz」(エヴォルツ)という制振装置を標準採用しています。
「evoltz」(エヴォルツ)は、油圧系ダンパーで速度依存型に分類されます。
この油圧系ダンパーは、自動車の振動を減衰する装置、ショックアブソーバーの世界的メーカーであるドイツのビルシュタイン社の技術を用いています。
ビルシュタイン製ダンパーは、スポーツカーのポルシェ、ドイツ製のBMW、メルセデス・ベンツ、アウディなどにも純正で採用されています。
車好きならば、ビルシュタイン社のショックアブソーバーは有名だと思います。
その他に「evoltz」(エヴォルツ)の特徴として「超バイリニア特性」があります。
バイリニア(Bi-linear)は「Bi:ふたつの」「linear:線形、直線」と直訳できます。
バイリニア特性とは、制振装置がエネルギーを吸収する「減衰力」の増大に伴い、住宅を傷めることのないように考えた特性のことを指します。
下のグラフのように地震による小さな揺れから減衰力を発揮します。
耐震等級3の住宅は剛性が高く変位量が少ない住宅になります。
よって小さな揺れから減衰力を発揮する制振装置の方が、耐震等級3の住宅と相性が良いことがわかります。
その他に、小さな揺れから減衰力を発揮する制振装置の特徴として、壁倍率がありません。
「壁倍率」とは、建築基準法で定められている耐力壁の強さのことを言います。
木造住宅や木造建築物の構造に関する規定のひとつで、耐力壁が多くあるほど地震に強くなります。
筋交いと呼ばれる斜めの木材や、構造用の合板(面材とも言います)を貼付けをして耐力壁を造っていきます。
基準となるのは、厚さ15㎝、幅9㎝の筋交いを入れた壁になります。
これを壁倍率1.0として基準としています。
筋交いの厚みが増えたり、構造用の合板(面材)の釘の量や長さで、何倍の強さがあるのかを数値として測り判断をします。
壁倍率のない制振装置は、小さな変形で減衰力を発揮=損傷防止
壁倍率のある制振装置は、大きな変形で減衰力を発揮=倒壊防止
大きく分けると上記のような特徴といえます。
上記でも書きましたが、耐震+制振です。
木造住宅の倒壊は耐震等級3で防ぎ、その耐震等級3の木造住宅の損傷を防ぐのに壁倍率のない制振装置である「evoltz」(エヴォルツ)で補い、住み続けられる性能を確保したいと考えています。
ただし、既存の木造住宅を耐震改修する場合、不足する耐力を壁倍率のある制振装置で補う方法は有効なので、全て壁倍率のない制振装置にするわけではありません。
ワダハウジングでは
・新築の木造住宅では耐力壁を確保する設計をするので、壁倍率のない制振装置を採用!
・既存の木造住宅で耐震補強をしても耐力壁が確保できない場合は、壁倍率のある制振装置を採用!
上記のように使い分けをしています。
結論としては、状況に応じて適材適所に材料や装置を使うことが一番大切ということです。
目次
ワダハウジング和田製材株式会社
・一級建築士
・一級建築施工管理技士
・一般社団法人みんなの住宅研究所会員(会員番号:200019)
纐纈和正
家づくりは人生のうち一度あるかどうか。
どんな家がいいか、お金のこと、土地のことなど、わからないことだらけなのが当たり前です。
みなさん同じです。そういった場合は、まず専門家に聞きましょう。
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私たち住まいのプロが、お客様の疑問や不安に正直にお答えいたします。
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