2025.05.23
介護される方も介護する方も快適に暮せる~在宅介護の家づくり

家づくりプランナーの吉田洋子です。
皆さんは在宅介護のイメージはどんな感じでしょうか?
在宅介護とは、老人ホームなどの施設介護に頼らず、自分の家で介護すること。
住み慣れた家や、慣れ親しんだ土地で過ごせる在宅介護は、本人の精神面等の安定を考えると好ましいと言えます。

では、在宅介護で大変だと思うランキングは、何だと思いますか?
2024年2月のアンケート結果です。
1位 認知症状への対応
2位 排泄介助
3位 入浴介助
4位 移動介助
5位 食事介助
6位 生活に必要な各種管理
7位 衣服の着脱介助
8位 医療的ケア
9位 服薬介助
10位 身だしなみのケア
在宅で介護をするためには、介護する環境が重要になって来ます。
介護する側から見て、楽に介護が出来る。
介護される側から見て、快適に過ごせる。

介護される側が不快に思っていたら、介護を続けることが出来ません。
介護する側は、健康でないと介護をする事が出来ません。

では、どんな間取りや仕様が介護に適しているのでしょう?
目次
【介護に適した間取り】
1.トイレや洗面が近くにある=自立出来ます

部屋からすぐ出てトイレや洗面台があれば、何とか自力で行ってみようと思うかも知れません。
壁を伝って遠くのトイレに行くのは、足腰が弱っていると億劫になり、部屋に簡易トイレを置いたりすることになります。
直ぐに片付けてあげなければ、不衛生になってしまいます。
そんな場合は、介護用トイレ。
部屋の中に設置出来るトイレもあります。

車いすになったら、介護用洗面化粧台。


2.段差が無い=転倒リスクを無くす
敷居の段差や、じゅうたんの段差だけでも転んでしまいます。
吉田、足の小指が家具の端に引っ掛かり、転びそうになったことがあります。
まだそこまで弱くなっていないので、転倒は回避できましたが、中にはスリッパを履く時に引っ掛かってしまい、転んでしまったと言う話も聞いたことがあります。
そんな場合は、下にレールの無い上吊の扉がお勧めです。

3.換気=臭いがこもらなくなる
ずっと締め切った部屋では、空気が淀んでしまいます。
窓は2ヶ所を開けて空気の入れ替えをしてあげましょう。

そんな場合は、24時間換気システムや縦すべり出し窓がお勧めです。
4.日当たり=生活リズムを認識出来る
朝目覚めたら、カーテンを開けて日の光を感じましょう。
カーテンを閉めたまま、照明だけでは時間も何も感じることが出来ません。
日が昇って沈むことを感じれば、生活リズムが整い易いのと、景色を見ると四季を感じることも出来ます。
そんな場合は、少し斜めに開ければ日の光が入る、縦型ブラインドがお勧めです。

5.リビング横の部屋=家族とのコミュニケーション
静かな方が良いかと、離れた部屋にしてしまうと、家族とのコミュニケーションが取れないので、生活を感じることが出来ません。
リビングに近いお部屋で、家族の声が聞こえる、動きが感じられる場所を介護の部屋にして行きましょう。


6.ベッドの配置=介助のし易さ
ベッドの両サイドは、人が通れるくらい空けておきましょう。
落ちないように一方を壁に付けてしまうと、介助がしずらくなってしまいます。
麻痺がある場合には、麻痺側を奥(壁側)にしましょう。
リクライニング時に、窓から景色が見えたり、テレビが見やすい場所に置いてあげましょう。
出入口までの距離を短くしましょう。
ベット端に布団が落ちない様に、転落防止のベッドガードを付けましょう。

7.手すりの取り付け=移動の円滑化
方向変換やドアの開閉などの動作が発生する場所。
扉の所には手すりを付けましょう。

ベットから起き上る時に、麻痺などない手の方に介護用手すりを置きましょう。
廊下に手すりを付ける場合は、廊下の広さも重要です。

片方に手すりを付けても、部屋に戻る場合は反対側にも手すりが必要になります。
カニさん歩きをすれば良いですが、その方が転倒リスクが高くなってしまいます。
介護状態によって違いますが、介助しながら廊下を歩く場合もあります。
人がふたり並んで通れるくらいの広さを確保しましょう。
8.浴室=入浴介助
入浴介助を自宅で行うのは、介助側にとって、とても重労働になります。
腰をかがめて頭や身体を洗ったり、介護者、介助者両方が転倒したり、滑らないようにしなければなりません。
浴槽が深い場合などでは、浴槽へ出たり入ったりするときに、シャワーチェアーやバスボードを置いて介助者を補助します。

使用出来る状況であれば良いのですが、介護者の身体的状況により、訪問入浴介助(浴槽を運んで入浴を介助)を利用する場合、どこから浴槽を入れるのか?
玄関?リビングの掃出しサッシ?
浴槽を入れる場合の、開口幅は大丈夫なのか?
入浴介助用の浴槽を浴室に置く場合は、洗い場が広いサイズのユニットバスにすると、介助が楽にできますね。
扉も折戸や開き戸ではなく、引戸や2枚引戸をお勧めします。

9.玄関=移動介助
スロープを作って玄関ホールに上がる場合、玄関とホールを広めにするのが良いです。
他の家族も使用しますので、広さには考慮が必要です。
介護者の状況に寄っても違いますが、腰掛けるベンチがあれば、靴の脱ぎ着が楽です。
スロープがあれば、框を上がる動作を省くことが出来、転倒を防止できます。
もちろん、ベンチの横には手すりが必要です。
外から玄関までのポーチ部分にも手すりが必要です。

スロープにはもちろん、手すりを付けましょう。
新築で家を建てる場合は、前もって介護の有無を考えて間取りを作れば良いのですが、新築ではない場合は、お風呂やトイレは使いずらい場合が多いです。
そんな場合は、リノベーションをお勧めします。
皆さん出来るだけ家で介護をしてあげたいと思われますが、共働きであったり、老々介護であったりと、各ご家庭の状況も様々です。

私の母は、祖母を在宅介護で診ていました。
1週間が経ったころ、疲れが溜まってしまい、ウトウトっとしてしまった数分で、祖母は息を引き取ってしまいました。
母はとても悔やんでいて、もっとお世話をしたかったと、涙を流していました。
その母は、数年前から認知症が進み、昨年施設で最後を迎えました。
無くなる1週間ほど、毎日豊川の施設に通いました。
ですが、息を引き取ったのは、明け方で最後を看取ることが出来ませんでした。
自宅介護にしろ、施設に預けることになっても、もっと何か出来たんじゃないか、もっとあぁして置けば良かったと悔いは残ります。
なら、元気なうちに家に呼んであげましょう。
たまには一緒に遊びに行きましょう。
盆と正月以外にも遊びに行きましょう。

家を新築したり、リノベーションをしたら、一緒に楽しく過ごす日を持ちましょう。
介護はひとりでは出来ません。
家づくりもひとりでは出来ません。
わからないこと困ったことは、その道のプロに任せれば良いのです。
あなたの家づくり、プロ集団のワダハウジングに任せてみませんか?
お問い合わせお待ちいたしております。


ワダハウジング和田製材株式会社
吉田洋子
