2025.05.21
土岐市の工務店が丈夫な住宅にする為の金物を紹介

工事現場の管理やメンテナンス等を担当する工務課。
植松達矢です。
注文住宅の工事についての事を色々紹介しています。
・二級施工管理技士。
・福祉住環境コーディネーター2級。
住宅の工事でたくさんの構造木材を繋げて支える小さな金物。
住宅の工事が終わると隠れてしまう、そんな縁の下の小さな力持ち達を紹介です。
住宅の構造(骨組み)は柱(縦の木材)や土台や梁・桁(横の木材)にホゾ(差込み)や接手(延長接合)・仕口(直角接合)などの凹凸を付けて木材同士を組み合わせる事で形を作っています。

在来工法では住宅を作る際に木材の強度も重要ですが、凹凸の加工を組み合わせて作る為、接合部の補強をしないと地震等で大きな力が掛かった際、抜けない様に金物を使い適切な補強が必要です。
繋ぎ目の補強と合わせて、上からの重さや横からの揺れに耐える様に壁や柱の位置もバランスよく考えて丈夫な住宅をつくります。
目次
住宅を作る際に使う金物の紹介です。

金物選びは取り付ける箇所に掛る力の強さに応じて種類が変わってきます。
掛かる力の弱い順に大きく分けると「いろは」「にほへ」「とちりぬ」の3タイプ。
「いろは」は柱・束・土台・梁の繋ぎ目であまり力の掛らない所は、カスガイ・柱頭柱脚金物・平金物・ネジ等で固定。
「にほへ」耐力壁や筋交い等の力が掛かる所は、専用の柱頭柱脚金物等で固定。
「とちりぬ」基礎と柱や柱同士を繋ぐ力が多く掛る所は、ホールダウン金物や高耐力柱頭柱脚金物等で固定。
各柱ごとに力の掛り方が変わる為、使う金物も変化して行きます。
基本の金物
・カスガイ(い)

昔ながらのコの字型の金物で梁や土台と束や柱を固定する金物。
柱1本に対して2本ずつ打って止めて行く。
ことわざにもなる伝統的な金物です。
・ボルト

長いネジでナットと一緒に梁・桁を繋いで固定する金物。
色々な材料を繋ぐために使用する金物で様々な長さや両方がネジの物もあります。
・羽子板ボルト

正月遊びで使う羽子板のような形の金物で梁や桁等の横向きに使う木材同士を繋ぐ時に使用する金具です。
ボルトを使う際にはバネの付いた座金を挟んで固定して行きます。
部材を選ぶ際には金物の強度と合わせて取り付けた際のネジ山がナットから3山以上出る長さの物を選びます。
・火打ち

住宅床面(水平)の強度を高める為斜めに入れてボルトで固定する材料。
木材や金物等の種類があり、部屋や住宅の四隅に設置して住宅のねじりを防止する材料です。
・筋交い金物

住宅を支える大きな力が掛かる筋交い(斜めの材料)を柱に固定する2枚セットの金物。
柱側は8本・筋交い側は6本のネジを材料の位置に合わせて打ち固定します。
・短冊プレート

板状の金物で梁や桁などの補強で継ぎ手を中心に10本のネジで固定する金物です。
1枚で1.9k・2枚で4.2kと使う枚数で耐えられる力が変わります。
・フラットプレート(いろは)
柱と土台や梁を固定する金物でコンパクトコーナーやカスガイに近い用途の金物もあります。
・アンカーボルト

住宅の基礎に埋め込み土台を締めて住宅とつなぐ金物。
土台の厚みや床の作り方に応じて高さを調整して基礎に埋め込む金物です。
合板を敷き詰める場合は5mmほど土台に埋まる高さで準備しておき、スクリュー座金で基礎と土台を締め付けて固定。
土台の上に根太(床板を支える木材)を並べる場合は土台から飛び出すように設置し座金とボルトで基礎に締め付けて固定して行きます。
・ホールダウンボルト(へとちりぬ)

太くて長い基礎に深く埋め込むボルト、基礎と柱と直接繋ぐ金物です。
地震が起きた時に大きく力が掛かる住宅の四隅に設置される事が多く引き抜きに対して耐える力が強いので基礎と住宅が離れてしまうのを防ぎます。
埋め込むボルトの種類や固定金具のネジの本数で耐えられる強度が変わってきます。
柱頭柱脚金物
・シナーコーナー(にほへ)

土台や梁と柱を繋ぐL字型の金物。
床側のネジは合板の有無に応じて長さが変わる。
筋交いの近くなどの力が掛かる柱の上下に取り付けをする。
・コンパクトコーナー(いろは)
柱と土台に5本のネジで固定するL字型の金物。
・フックコーナー(いろは)

柱と土台に4本のネジで固定するL字型の金物。
強い力に耐える柱金物(事前確認が必要)
・オメガコーナー15~20K(へとち)

柱芯から20㎝以内のアンカーボルトによる強固な固定と合わせる必要がある。
1階床で使う際は事前に設計の確認を取る必要がある。
・グレートコーナー25K(り)
1階床では使えない、太い梁と柱を接合する為の金物。
地震や台風に耐える材料
・構造用面材

住宅を支える板状の材料で指定の間隔に釘で固定する事により柱や梁のゆがみを防ぎます。
住宅が地震の揺れに強くなる仕組みの簡単なイメージをすると。
両手の親指と人差し指で押しあった時に何も無い時は動きやすく、中心に斜めの棒や四角い板を入れると動きにくくなるのと同じ様な感じです。
小屋や屋根で使う金物
・ひねり金物
タルキと梁を止める釘固定の昔ながらのねじれた金物です。
・タルキ固定のネジ
カスガイや釘固定のひねり金物代わりになる強度の高い建築ネジ。

タルキック2(1.4k)野地板の厚みを含めて補強できる物やタルキックS(2.2k)がありタルキの厚みに応じて種類が変わります。
90㎜は135の長さを使い、105㎜は150の長さを、120㎜は165の長さを使います。
原則ネジ部分がタルキを止める構造材に全て刺さればOKです。
・ラクビスダイバー(2.5k以上)

1本でカスガイ2本分の強度を出せるネジで1本を止める材料の横から打ち込みます。
90~105㎜木材には85㎜を、120㎜の木材には115㎜を使います。
160㎜の長さは斜め打ち用です。
上や下からの垂直打ち用には180~195㎜等の横向き材よりも長いネジを使用します。
使うネジの長さに応じて、カスガイ・短冊・ひねり金物などの代用になり、カスガイを止めるには1個当たり10回ぐらい叩くので、手早く作業が進むようになる画期的なネジです。
紹介した金物以外にも沢山の金物や材料をバランス良く使う事で地震に強い住宅を作る事が出来ます。
もし工事の現場をのぞく事があったら探してみてください。


土岐市の工務店で丈夫な安心できる住宅を建てる。
ワダハウジング和田製材株式会社
・二級施工管理技士
・福祉住環境コーディネーター2級
植松達矢

初投稿 2023.05.24
改修 2025.05.21