2025.09.28
洗濯の動線を見直して家事を効率よく時短しよう
毎日の家事をどのように感じていらっしゃいますか?
昨今は、共働き家庭も多く、家事に掛けられる時間が大幅に減っているご家庭が多いそうです。
それを鑑みるとできるだけ家事効率の事も考えて家を建てることが必要になってきていると言えます。
家を建てるならば家事を効率化し、ゆとりを生み出す工夫をしませんか?
今回は、ライフスタイルや好みによってやり方や、時間のかけ方が変わってくる洗濯について取り上げていきます。

目次
1.最近の要望と傾向
最近は、共働きで時間を有効に使いたいと乾燥機を導入される方も増えました。
二階建てにはバルコニーを設けるのが一般的でしたがつけない方も増えています。
天気の急変に対応できない、大気汚染、アレルギーなどで外干しはしないという方も増えています。
夜に洗濯をするから外には出さない。
朝洗濯をして天気の良い日は外干しするなど、ライフスタイルや好みによって選択肢が以前よりも増えています。

洗濯を楽にするとは?
洗濯は場所も時間もとる行程の多い家事であるため、家電の利用や、家の間取り次第で行程を飛ばす。
作業時間を短くして負担を減らすことは可能です。
1.どこで負担を小さくするか?
①洗濯用品をまとめる
洗濯物を集める場所、洗剤類、洗濯ネットなど洗濯機に投入する物は洗濯機の近くに配置する。
ハンガーや洗濯ばさみ、ピンチハンガーなども、使う場所に保管することで、動く距離が減るので効率が上がり、時短へとつながります。
②乾かし方
洗濯物は、すべて乾燥機で乾かす。
タオル類など、ある程度しわなどが気にならない物であれば乾燥機を使う。
外干しをせず、お風呂、その場など、洗濯機の近く、または収納場所の近くで中干しをする。
③畳み方・アイロンがけ
干した場所のそばで畳む。
アイロンを手軽に使えるように収納する。
④収納
保管場所を使う場所ごとにまとめる。
畳まずにハンガーでつるしたまま保管する。

2.洗濯の行程を考える
よくあるパターンを上げてみます。
・干す→乾燥機に任せる→取り出す→たたむ→しまう
乾燥機付き洗濯機ですと、一気に取り出すところまで完結できます。
乾燥機の場合は洗濯後、一度取り出し乾燥機に入れる作業が加わりますが、洗濯機付きよりも乾燥時間が短くふわっと仕上がるといわれています。
・干す→室内干し
外干しをせずに室内干しにすると外に持っていく手間は減りますが、湿気が気になったり、生活感が出てしまいます。
浴室の乾燥機付きタイプも主流になってきてはいますが、入浴中は湿気を吸ってしまいます。
室内干しスペースを作る場合は、設置コストや広さなどの問題が出てくることもあります。
・たたむ
洋服類はハンガーにつるしたままで収納へ移動させる→畳まないまたは、タオルなど一部のみ畳む。
ハンガーなどから外す、乾燥機から取り出し→畳む。
外しながら、取り出しながら一枚一枚その場でたたんでいく。
取り込んで、すぐに畳まず、どこかに仮置きして後で畳む。
・アイロンがけ
ここはやるやらないがあります。
行う場合は、専用の場所を設けてあるかないかの違いが出ます。
リビングなどでアイロン台を準備して行う。
ランドリールームや家事室などでサッと取り出せるようにしておくなどすると、準備や片付けの手間が変わってきます。
・しまう
ハンガーにつるしたままクローゼットにしまう
棚やクローゼットに畳んでしまう
家族一人一人が各自畳んで各部屋の収納スペースへしまう
時短・効率化のための準備
自分に合った洗濯の仕方をを考え、動線の整理をします。
外干し
外に干す場合、まずはどこに干すか決めていきます。
・2階バルコニー:日当たりがよく風通りがいい場合が多いです。
洗濯機の場所が一階の場合、持ち運ぶ労力がいります。
家の中で自然と動くことにつながり筋力や体力の維持に一役買います。
量が多い場合、足元も見えにくくなるなどのリスクがあるため、転倒や落下の危険が高まります。
年齢を重ねていくとさらにリスクは高くなります。
・窓外:一階の掃き出し窓を開けたところに干せるようにする方も多いです。軒下であれば雨にも多少濡れにくいといえます。
身を乗り出して出し入れすると転落などのリスクが高いので、無理せず行える高さ、落下防止をすると安心です。


・戸外:干す場所に合わせて洗濯室からそのまま出られるようにしたり、掃き出し窓からお庭に出るなど様々です。


・サンルーム:囲いをつけると夜なども安心して干すことができたり、虫がつかないなどのメリットもありますが、設置のコスト、時期によっては高温多湿や結露で、適切な換気や掃除をしないとカビが生えやすくなります。


・外に干せない状況の時に干しておく場所の確保がいります。
雨の日、長時間のお出かけ、急な雨での取り込みなど、外干しを継続できないときに干し場を確保しないとストレスの原因にもなります。
中干し
・何を一番大事にして考えていくのか?それによっても大きく変わってきます。
できれば、リビングなどくつろぎの空間には干さず、誰か来ても目につかない場所が理想といわれています。
リビングなどの方が畳むことを考えると楽でいいという方は、畳コーナーを作りロールカーテンなどで視界に入れないという選択をされる方もいらっしゃいます。


・洗濯機を置いた洗濯室:濡れた洗濯物をその場で干せる、という手軽さから取り入れる方が多いです。


・浴室:乾燥機付で洗濯を干すことを想定しているタイプも多いので入浴の時間帯を避けられそうならば理想的です。
・ローカ・二階階段ホール:以前はここに設置する方が多い印象でしたが最近は通行の邪魔、寝室へ行く際に視界に入るのがわずらわしいなどの理由で減っています。しかし、二階に居室を設ける場合は、各部屋のクローゼットへ片づけやすいなどのメリットがうまれます。


◎洗面と脱衣室を一緒にすることも近年、減っています。
浴室に通じる脱衣室は服の移動をしなくてよいという点、洗濯物の手洗いや染み抜きなどの手作業などを行ったりする。
汚れた物も扱うのですぐに手を洗えるように洗濯機と洗面所、脱衣室が一緒になっているところも多いです。
最近の傾向として、家族といえど個人のプライバシーやライフスタイルを大事にする家庭が増え、家族がお風呂に入っていると洗面を使いづらい。使えない。年ごろの子供が嫌悪感を抱く。夫婦でも着替え中は見せたくないなど、浴室につながる脱衣室は別に設置することが増えています。
メリットをとると、洗濯室に洗面があると効率よく使えるので扉を隔てて隣に設置したり、ロールスクリーンなどで空間を分けるなど対策をするのが理想的です。
また、金額は上がってしまいますが、二か所設置された方からは便利に使えているという声も多く届いております。




保管する
畳まず、ハンガーに掛けたまま保管できる場所を確保できると”畳む”行程をなくすことができます。
また、着る頻度、着替える場所で置き場を決めると生活の効率も上がります。


・ファミリークロークなど保管場所をできるだけまとめると片付けやすくなります。
・制服など、決まった洋服類は、カバンなど毎日の持ち物と一緒にまとめると準備にかかる時間も減らせます。


必要となる広さの確保が課題となりますが、理想のランドリールームについて考えていきます。
①ランドリールーム・ファミリールームとも十分な広さを確保しています

ガス式の乾燥機を取り付ける場合、専用のコックが必要となります。
乾燥機から取り出した後、たたむ場所、アイロンかけ、しまう場所までその場、すぐ近くに配置するとかなりの時短となります。
畳まずにハンガーにつるしたまま保管できる場所を確保する。
また、扉続きでクローゼットなどを配置すると、浴室やランドリールーム内で洗濯を乾燥させた後の収納が楽になります。




②生活の動線も考えてランドリールーム・ファミリークロークを設置した場合

乾燥機で乾かしたタオル類や下着などは、そのままランドリールーム内で畳み収納
ハンガーにかけたままでよいものは、そのままファミリークロークへ移動
目覚めてからの着替えも、L↔ファミリークローク↔ランドリールーム↔ダイニングと一連の流れで準備が行えます。
また、ファミリークローク内のブロックを分けることでコートやかばんも収納できます。
ファミリークローク↔玄関へ直接出入りがことができることで、お出かけの動線もスムーズです。


③外干し・中干し・アイロンがけ・畳むを一か所でできるようにしてあります。


天気の良い日は、外で洗濯物を干されます。
洗濯物の移動がスムーズなように洗濯脱衣室に勝手口を取り付け、直接干場へ出られるようにしてあります。
乾いた洗濯物は、造り付けのカウンターで畳み、アイロンがけも行います。
タオルなどを収納できる可動棚を設置してあります。
室内に物干しざお掛けを設け、雨などが降っても困らない対策をしています。
まとめ
洗濯はご家族の人数によっては、毎日行う必要があり、時間も手間もとります。
ランドリールームなどの設置を諦めざる状況でも、動線の見直し、行程の見直しを行うことで家事の負担を減らすことは可能であり、ライフスタイル・家族の人数など暮らし方から考えていくことで家事の効率化・時短に大きな効果があるといえます。
新築・リフォーム・リノベーションは大きく見直すチャンスになりますので、ぜひ相談をしっかりしながら決めていっていただきたいです。

3.洗濯パンについて
洗濯パンとは、洗濯機の下に設置されている強化プラスチックなどの防水性の高い素材で作られた、排水口の付いた受け皿のことを言います。
近年の住宅事情では、洗濯機の性能も上がり滅多なことでは水漏れしない為、洗濯パンを設置されない住宅が増えてきました。
知らない方もいらっしゃるとは思いますが、洗濯パンがあるのが当たり前だった方の中には「無くても大丈夫なの?」 と不安を持つ方もいらっしゃいます。

洗濯パンは何の為に設置されているの?
洗濯機の故障により、直接階下や床に水漏れを起こさない為です。
また、排水ホースが劣化した場合や、接続不良で外れる可能性もある為、漏水予防や床を守る目的があります。

メリット
漏水予防以外に、洗濯機使用時の振動による音を抑え、周りに響きにくくする効果もあります。


デメリット
掃除の手間が増えてしまいます。
洗濯パンは埃の受け皿にもなり得ます。
洗濯機がすっぽりと覆うように洗濯パンが設置されている為、掃除の度に重たい洗濯機を移動させるのが大変です。
わざわざ洗濯機を移動させて洗濯パンの中を掃除するのは大変な為、やっても大掃除の時のみ、何年も掃除していないご家庭も多いのではないでしょうか。

洗濯パンの形状
洗濯パンの形状は、大きく分けて2種類あります。
フラットタイプと四隅が立ち上がったタイプ(4辺が立ち上がったタイプも含みます)です。
フラットタイプは、平面なので洗濯機が置きやすい一方で、掃除がしずらいといったデメリットがあります。
四隅が立ち上がったタイプは、掃除がしやすい半面、洗濯機を買い替えた際に大きさが合わず、使用出来ないことがあります。
洗濯パンを置かない方は直置き、またはキャスター付き洗濯機置台を利用している方もいらっしゃいます。
キャスターで自在に動かせる他、洗濯機の下にお掃除ワイパーを通せるので普段から掃除がしやすくなるメリットがあります。
物によっては、振動を抑えられる製品もあります。
床に傷がつきやすいなどのデメリットも言われますので、説明書きや口コミなどを参考にしていただくと良いと思います。

洗濯パンは必ずしも設置が義務付けられている仕様、設備ではありませんので、メリット・デメリットを良く考慮した上で、設置するかどうかを判断して下さいね。
おまけ:洗濯表示
2016年12月より洗濯表示が国際規格のものへと変更になりました。

洗剤や洗濯機の変化により指示が増えたことなどから記号も22項目から41項目へと増えたそうです。
まだまだ、浸透しきっていないので、なんだこの表示は?と焦っているのは私だけではないはず・・・?
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とても分かりやすく書いてあるので、もっと詳しくお知りになりたい方は、ぜひご活用ください。



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木造ハウジングコーディネーター塚本 由賀
