2026.08.13
ユニバーサルデザインとしての引き戸、注目です!
こんにちは、篭橋です。
高齢になった母は、現在のところ日常生活に大きな支障はありません。
しかし、以前よりも少し長く歩くとふらつくことが増え、外出するときはできるだけ私が一緒にいるようにしています。

家の中で過ごす時間が増えたことも影響しているのでしょうか。
以前は何ともなかった動作でも、筋力の低下によって少しずつ不便を感じる場面が増えてきました。
その一つが「開き戸」の開閉です。
ドアを開けるとき、体を後ろに引いたり、ドアの動きに合わせてバランスを取ったりする必要があります。

若い頃は自然にできていた動作でも、年齢を重ねるとその小さな動きが負担になり、場合によっては転倒につながることもあります。
実は、高齢者のケガは家の中で起こることが少なくありません。
「住み慣れた家だから安心」と思いがちですが、年齢や身体の変化によって、今まで安全だった場所が危険になることもあります。

家は本来、家族が安心して暮らせる場所でなければなりません。
将来の暮らしを考えたとき、安全性や使いやすさを高める方法の一つとして「引き戸」が注目されています。

引き戸はユニバーサルデザインとして注目されています
引き戸は、日本の住宅で昔から使われてきた建具の一つです。
限られた空間を有効活用できることや、開閉のしやすさなど、日本の住まいの知恵が詰まった建具ともいえます。
いまでは、高齢者や車椅子を利用する方だけでなく、子育て世代や将来の暮らしを考える方にも取り入れられるようになり、「ユニバーサルデザイン」の考え方に合った住宅設備として見直されています。
それでは、引き戸のメリット・デメリットをご紹介します。

引き戸のメリット
① 開閉時の負担が少なく、誰でも使いやすい
引き戸は、開き戸のようにドアを開けるために一歩下がる必要がありません。
また、開閉時に大きな力を必要としないため、高齢者や小さなお子様、車椅子を使用する方にも使いやすいデザインです。
将来的なバリアフリー住宅を考える際にも、引き戸はおすすめの選択肢になります。

② 浴室などの安全対策にも役立つ
浴室が開き戸の場合、万が一中で人が倒れてしまった際、体がドアにもたれて外から開けにくくなる可能性があります。
その点、引き戸であれば横にスライドして開閉するため、救助の妨げになりにくく、安全面でもメリットがあります。

③ 空間を有効活用できる
収納扉を引き戸にすると、扉を開けた状態でも前のスペースを邪魔しません。
家具などが近くにあっても開閉しやすく、限られた空間を有効に使うことができます。
また、地震の際にも開き戸のように勢いよく開いて収納物が飛び出すリスクを抑えられる場合があります。
④ 部屋の使い方を変えられる
部屋と部屋の間仕切りを引き戸にすると、広く使いたいときは開放し、個室として使いたい時は閉めることができます。
例えば、子どもが小さいときは広い遊び場として使い、成長後は個室として利用するなど、ライフスタイルの変化にも対応できます。

⑤ 急に閉まる危険が少ない
開き戸は、換気のために開けていると風の影響で急に閉まることがあります。
その際、指や体を挟んでしまう危険があります。
引き戸は横方向に動くため風の影響を受けにくく、急に閉まる心配が少ない点もメリットです。
また、少し開けた状態で止めておくことができるため、換気にも便利です。
⑥ 開放感がある
個人的な感想ですが、引き戸を全開にした時の開放感はとても気持ちが良いものです。
部屋と部屋がつながり、家全体が広く感じられるのも引き戸ならではの魅力です。

引き戸のデメリット
便利な引き戸ですが、設置する場所や住宅のつくりによっては注意点もあります。

① 設置できる場所が限られる
引き戸は、扉を横にスライドさせるための壁面スペースが必要です。
壁が少ない場所や間取りによっては設置が難しい場合があります。
② 家具やスイッチの配置に影響する
引き戸は、開けた時に扉を収納するスペースが必要です。
そのため、家具の配置やコンセント、照明スイッチの位置などを事前に考える必要があります。

③ 気密性や防音性は開き戸より劣る場合がある
一般的に引き戸は、開き戸と比べて隙間ができやすいため、気密性や防音性が低くなる場合があります。
部屋の用途によって、引き戸と開き戸を使い分けることも大切です。
④ 壁の量によっては構造への配慮が必要
住宅は耐震性を確保するために壁の配置も重要です。
引き戸を多く採用する場合は、構造とのバランスを考えながら計画する必要があります。

⑤ レールの掃除が必要
床にレールがあるタイプの引き戸は、ホコリがたまりやすいため定期的なお掃除が必要です。
最近では、レールの形状を工夫した商品や、上吊りタイプの引き戸など掃除の負担を減らせるものもあります。

⑥ 費用面で高くなる場合がある
一般的に、開き戸よりも引き戸の方が部材が多く施工の工程が多くなり、費用が高くなる場合があります。

また、玄関の引き戸については、商品によって断熱性や防犯性能が異なるため、性能を確認して選ぶことが大切です。

引き戸は古いというイメージもあるかもしれませんが、いまでは洋室のインテリアにも合う、スタイリッシュなデザインの引き戸も多くなりました。
将来のことを考えると、引き戸にしておくといろいろと便利かもしれませんね。
ユニバーサルデザインの安全性と防災の機能も備えた引き戸。
注目です。



ワダハウジング和田製材株式会社
篭橋和子
